活動報告

このたび、NPO法人まちなかカレッジを設立いたしました。
私たちは「教育と文化の力で、社会をより良くする」ことを理念に掲げ、
すべての人が学びを通じて自らの人生を切り拓き、他者と共に生きる力を育む社会を目指しています。
私たちまちなかカレッジは、2009年に生まれた「柏まちなかカレッジ」の精神を受け継ぎ、
まち全体をキャンパスと見立てた“学びのコミュニティ”を育ててきました。
いま教育の現場では、多様な課題が同時に進行しています。
特別な支援を必要とする児童・生徒や、外国にルーツを持つ子どもの増加、
教員不足や過重労働、そして人口減少に伴う教育格差の拡大。
児童館や青少年センターなど公共施設の閉鎖も進み、学校での部活動は地域に展開される方向が示され、子どもたちが安心して過ごせる居場所や学びの機会が失われつつあります。
こうした社会の変化の中で、学校教育だけでは支えきれない部分を、地域や市民の力で補い合うことが求められています。
地域の中で、先生と生徒という垣根を越え、誰もが教え、学び、語り合える場をつくる。
その経験から、教育とは学校の中だけで完結するものではなく、
社会全体で育てていく営みであると確信しています。
2018年に設立した算数・数学専門の学習塾「算楽塾」では、
「世界中の算数・数学嫌いをなくし、誰もが学び、より良い人生を切り拓き、より良い社会を築いていく」というミッションを掲げて活動しています。
それは、算数・数学を学ぶ意欲を失い、不登校や自己肯定感の低下に悩む子どもたちも多いからです。
算数や数学の楽しさを発見し、手を動かし、考え、対話しながら学ぶことで、子どもたちが学びの喜びを感じ、自己肯定感を高め、自ら成長する力を育てていく。
また、オンライン授業をいち早く導入し、島嶼部や遠隔地の子どもたちにも学びの場を届けてきました。
人生100年時代を見据え、学び方や学ぶ習慣を身につけ、生涯学び続けられる環境を創ること
――それが私たちの挑戦です。
今後は、放課後の居場所づくりとして「算数・数学オリンピッククラブ」を展開し、ゲームや探究活動を通じて、子どもたちが学びを楽しみながら仲間と出会える場を広げていきます。
さらに、日本語支援を必要とする児童・生徒や、学びの機会に恵まれない子どもたちへの支援にも力を注ぎます。
将来的には、青少年センターや文化施設などの公共施設運営にも取り組み、地域が教育を支え、教育が地域を育てる循環を築いてまいります。
私たちは、「教育を支えることは、社会を育てること」であると信じています。
まち全体が学校のように、赤ちゃんからお年寄りまで、いつでもどこでも学び合える「教育のまち」を実現し、すべての人が学び続けられる社会を共につくっていきたい。
未来を変えるのは、学びです。
どうか、私たちの活動にお力をお貸しください。
共に考え、共に学び、共に未来を育てていきましょう。
NPO法人まちなかカレッジ
代表理事 山下 洋輔